パートタイム労働考

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zoom RSS パート労働法の変遷

<<   作成日時 : 2016/11/27 22:47   >>

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 濱口桂一郎氏の『働く女子の運命』(文春新書)には「均等法をつくった女たち」の節があります。NHKの「プロジェクトX〜挑戦者たち〜」の2000年12月9日に放送された「女たちの10年戦争〜『男女雇用機会均等法』誕生〜」とともに、当時の婦人少年局長赤松良子氏の『均等法をつくる』(勁草書房)が紹介されています。濱口氏は、「これらを見たり読んだりすれば、理解のない男どもの猛烈な抵抗をはねのけて、彼女らがいかに女性の権利のために頑張ったかという英雄物語に感動しないわけにはいきません」と述べています。

 男女雇用機会均等法は労使の対立の中、1985年5月に成立しますが、多くが努力義務にとどまるとともに、同時に提出された労働基準法の女子保護規定の廃止も不徹底なものにとどまりました。男女雇用機会均等法は1997年に大幅に改正され、雇用管理における女性に対する差別を禁止するとともに、労働基準法における女子保護規定も撤廃されることになります。努力義務法制定時に男女平等法制化準備室主査として実務を取り仕切り、均等法改正後霞が関初の女性事務次官になった松原亘子氏は、このことをとらえて「みにくいアヒルの子が、いま美しい白鳥になった」と述べたと伝えられています。 

 パートタイム労働法が成立した時も、男女雇用機会均等法が成立した時と同様、労使の対立がありました。奇しくも赤松良子氏が会長を務める婦人少年問題審議会は、平成5年3月1日、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(仮称)案要綱」について答申を行っていますが、労使代表委員の意見を付したものでした。

 労働者代表委員側は、法の目的を短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保とすること、均等待遇の確保や労働条件の文書交付義務を「指針」に委ねることなく法に明記すること、法の実効性を確保するため罰則を設けることなどを求めています。
 一方、使用者代表委員側は、短時間労働者の雇用管理の改善等を図るためには労使が自主的に努力することが重要であって、現行の労働保護法令の遵守と「パートタイム労働指針」の周知徹底を図ることによってその目的は十分達せられるとして、新たな法律を制定する必要はないと主張しています。

 この法律案は、平成5年3月11日、第126国会に提出、衆議院で目的規定に適正な労働条件の確保等を明確にすること、労働条件の文書交付の努力義務規定等の修正を行ったうえで、同年6月11日に可決成立、同年12月1日に施行されました。

 パートタイム労働法は、その後2回にわたって改正が行われます。

 第1回目は、平成19年2月13日、第166国会に改正法案が提出され、同年5月25日に可決成立、平成20年4月1日に施行されています。主な改正点は次の通りです。
○労働条件に関する文書の交付等(違反の場合は過料)
○通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対する差別的取扱いの禁止
○均衡のとれた待遇の確保のための賃金、教育訓練、福利厚生に係る措置等
○通常の労働者への転換の推進
○待遇の決定にあたって考慮した事項の説明
○苦情処理・紛争解決援助

 第2回目は、平成26年2月14日、第186回国会に改正法案が提出され、同年4月16日に可決成立、平成27年4月1日に施行されています。主な改正点は次の通りです。
○短時間労働者の待遇の原則の新設
○通常の労働者と差別的取扱いが禁止される短時間労働者の対象範囲の拡大
○短時間労働者を雇い入れたときの事業主の説明義務の新設
○短時間労働者からの相談に対応するための体制整備(相談窓口)の義務の新設
○相談窓口の書面による明示
○厚生労働大臣の勧告に従わない事業主の公表制度の新設
○虚偽報告などをした事業主に対する過料の新設






 

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