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zoom RSS 同一労働同一賃金ガイドライン案の論点

<<   作成日時 : 2016/12/26 23:33   >>

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 「同一労働同一賃金ガイドライン案」が示された12月20日の働き方改革実現会議には、「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」(座長:柳川範之東京大学大学院経済学研究科教授)の中間報告も示されました。これは、正規・非正規間の大きな待遇格差がなぜ生じているのか、どのような対策をとるべきかについて、ガイドライン作成の意義と基本的考え方を中心に、11回にわたって検討した結果をまとめたものです。

 この中間報告には、「同一労働同一賃金ガイドライン案」を理解するうえで有用な論点が多く含まれています。見ておきましょう。

 中間報告は、同一労働同一賃金原則が広く普及しているといわれる欧州の実態を検討します。その結果から得られる重要な示唆は、一断面だけを切り出すのではなく、労働市場全体の構造をよく理解したうえで、参考にすることの重要性、そしてそれぞれの国の構造にあった対応策がとられることの重要性だとします。

基本的ポイント
 そのうえで、日本が同一労働同一賃金に踏み込み、非正規社員の待遇改善を実現させるポイントを次のように整理します。

(1)正規社員・非正規社員両方に対し、賃金決定のルールや基準を明確にし、
(2)職務や能力等と、賃金を含めた待遇水準の関係性が明らかになり、待遇改善が可能になるようにすること。
(3)そして、教育訓練機会を含めた「能力開発機会」の均等・均衡を促進することで一人ひとりの生産性向上を図ること。

ガイドラインの位置づけ 
 本来、賃金等の決め方は、当事者である労使の決定に委ねるべきもの。また、現行法においては、労働契約法20条やパート法8条によって「不合理」な格差を設けることは認められないが、この不合理性の判断は最終的には裁判所においてなされるもの。社会的課題となっている格差是正を進めるためには、ガイドライン等を通じた国による対応が有効となる余地があると指摘します。

 ガイドライン「案」は、第一義的には、現行法の解釈を明確化するものと位置付けてきたが、現状ではガイドライン「案」の法的位置づけは不明確であることから、現時点では効力を発生させるものではない旨を周知すべきであるとしています。

職務分離を起こさないようにする
 ガイドラインをつくっても適切に運用がされず、非正規社員に対して、形式的に違った職務を割り当てる形でガイドラインを形式的に守ろうとする動き(いわゆる「職務分離」の動き)などの副作用を避けるためにも、ガイドラインの制定・発効に際しては、民間側の取り組みのために必要な、過不足のない時間軸を確保することが重要だとしています。

手当を優先的に
 具体的に取り組むにあたっては、比較的決まり方が明確であり、職務内容や人材活用の仕組みとは直接関連しない手当に関しては、比較的早期の見直しが有効かつ可能と考えられるとしています。

基本給に対する考え方
 基本給については、多くの企業で決まり方が複雑で様々な要件が絡んでいるほか、長期的雇用を前提にしている部分も多く、正規・非正規間の比較をできるだけ可能にする仕組みを民間側で整えていく等、段階を踏んだ取り組みが求められるとしています。
 ただし、仕組みを整えるのに時間がかかることを理由に改革が進まないことのないよう、そのための対策が必要とくぎを刺しています。

検証プロセスの重要性
 作成されたガイドラインは本当に効果があったのか、副作用を生み出していないのか、そして現在の経済実態に合っているかを定期的に検証・評価するプロセスが重要だとしています。そのための仕組みづくりとエビデンスの収集・分析ができる体制づくりを強く求めています。

「非正規」をなくす
 正規・非正規という呼称格差を改め、すべて様々な雇用期間や労働時間の社員という考え方に整理されていく必要があるとし、今回のガイドライン作成は、そのための大きな一歩にしていくことが期待されるとしています。




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