パートタイム労働考

アクセスカウンタ

zoom RSS 労働時間規制、監督指導の強化

<<   作成日時 : 2017/01/29 21:26   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」の発表があるたびに、何かしら違和感を禁じえませんでした。法令違反を行う事業場割合のあまりの高さに、企業のコンプライアンスや法令の履行確保はこれでよいのかという疑念を抱いたからです。

 平成29年1月17日の厚生労働省の報道発表資料では、監督指導を実施した10,059事業場のうち、6,659事業場で労働基準法違反があったとされています。実に、66.2%の事業場で法令違反があったというのです。主な違反内容は、@違法な時間外・休日労働(4,416事業場(43.9%))、A賃金不払残業(637事業場(6.3%))、B過重労働による健康障害防止措置未実施(1,043事業場(10.4%))となっています。

 厚生労働省東京労働局は、平成28年12月28日、電通の女性新入社員が過労自殺した事件で、社員に違法な残業をさせていたとして、労働基準法違反の疑いで法人としての同社と幹部1人を書類送検しています。厚生労働大臣は、平成29年1月6日の記者会見で、電通社長の引責辞任について記者に問われ、「捜査はまだ継続していくということでありまして、社長1人の引責辞任で済む話ではない」と述べています。

 厚生労働省は、平成28年12月26日、長時間労働削減推進本部を開き、「過労死等ゼロ」緊急対策を取りまとめています。違法な長時間労働を許さない取組の強化として、労働時間の適正把握のための新ガイドライン是正指導段階での企業名公表制度の強化などを掲げています。ポイントを見ておきたいと思います。

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日策定)
自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
 ・自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否かについて、必要に応じて実態調査を行い、所要の労働時間の補正を行うこと。
 ・自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているか確認すること。
 その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間でないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事しているなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労働時間として扱わなければならないこと
 ・使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な申告を阻害する措置を講じてはならないこと。
 ・時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害する要因となっていないか確認するとともに改善措置を講ずること。
 ・36協定で延長することができる時間数を超えて労働しているにもかかわらず、記録上これを守っているかのようにすることが、労働時間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても確認すること。

「違法な長時間労働や過労死等が複数の事業場で認められた企業の経営トップに対する都道府県労働局長等による指導の実施及び企業名の公表について」(平成29年1月20日基発0120第1号)
労働基準監督長による企業の経営幹部に対する指導
 ◇対象企業
  複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業(中小企業に該当しない企業)であり、概ね1年程度の期間に2か所以上の事業場で下記のいずれかに該当する企業。
 ・監督指導において、1事業場で10人以上又は当該事業場の4分の1以上の労働者について、@1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められ、かつ、A労働時間関係違反の是正勧告を受けていること。
 ・監督指導において、労災支給決定事案の被災労働者について、@1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められ、かつ、A労働時間関係違反の是正勧告又は労働時間に関する指導を受けていること。
 ・上記と同程度に重大・悪質である労働時間関係違反が認められること。
 ◇本社管轄の署長による指導
  対象となる企業の経営幹部を本社管轄の労働基準監督署へ呼び出し、所長から全社的な早期是正・改善に向けた取組の実施を求める指導書を交付して指導。
 ◇全社的監督指導
  上記指導後、本社および支社等に対し監督指導を実施し、指導事項についての是正・改善状況を確認

労働局長による企業の経営トップに対する指導及び企業名の公表
 ◇対象企業
  複数の事業場を有する社会的に影響力の大きい企業であり、下記のいずれかに該当する企業。
 ・全社的監督指導において、是正・改善が認められないこと。
 ・概ね1年程度の期間に2か所以上の事業場で、(ア)又は(イ)に該当する実態が認められ、そのうち、(イ)の実態が1か所以上の事業場で認められること。
 (ア)監督指導において、1事業場で10人以上又は当該事業場の4分の1以上の労働者について、@1か月当たり100時間を超える時間外・休日労働が認められ、かつ、A労働時間関係違反の是正勧告を受けていること。
 (イ)監督指導において、労災支給決定事案の被災労働者について、@1か月当たり80時間を超える時間外・休日労働が認められ、かつ、A労働時間関係違反の是正勧告を受けていること。
 ◇本社管轄の局長による指導
  対象となる企業の代表取締役等の経営トップを本社管轄の労働局へ呼び出し、局長より早期に法違反の是正に向けた全社的な取組の実施を求める指導書を交付して指導。
 ◇企業名の公表
  上記指導を実施した際、以下について公表すること。
  ・企業名
  ・長時間労働を伴う労働時間関係違反の実態
  ・局長から指導書を交付したこと
  ・当該企業の早期是正に向けた取組方針

 なお、ガイドラインや通達の詳細は、厚生労働省ホームページのこちらをご参照ください。

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
労働時間規制、監督指導の強化 パートタイム労働考/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる