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zoom RSS 求人票は労働条件の文書明示に代えられるか

<<   作成日時 : 2017/03/20 16:51   >>

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 事業所の中には、求人票を示しているので改めて労働条件を文書で明示する必要はないのではないかと主張するところがあります。つまり、労働契約書又は労働条件通知書と求人票を混同していると思われるケースがあります。そこで、今回は両者の違いについて考えてみたいと思います。
 
  求人事業所は求人の申込みに当り、ハローワークに求職者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならないとされています(職業安定法第5条の3)。求人票は、これらの明示すべき労働条件を記載する帳票です。
 求人票の法的性格については、不特定多数の求職者に示されることからも、労働契約の申し込みの「誘引」と考えられています。実際、求人票の記載をみても、時間給の額に幅があったり、週所定労働日数や就業時間がそれぞれ「3日以上」、「4時間以上」となっていたり、備考欄に「週所定労働時間により該当の保険に加入」や「詳細は応相談」となっていたりして、その内容が確定していないものも多く見受けられます。
 一方、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされています(労働基準法第15条)。求職者がハローワークを通じて求人に応募するのが労働契約の「申込み」であり、求人者が承諾を行うことによって労働契約が成立すると考えられます。労働契約書又は労働条件通知書は、労働契約締結時に確定した個別の労働条件を明示する書類であり、求人票をこれに代えることはできません。

 また、労働基準法第15条及び労働基準法施行規則第5条が求める明示事項やパートタイム労働法第6条が求める文書交付事項を求人票が必ずしも明記していないことからも、求人票を労働契約書又は労働条件通知書に代えることはできません。

 求人票をめぐる論点の一つに、「実際の労働条件が求人票記載の労働条件を下回る」ケースがあります。これまで述べてきたように、実際の労働条件が求人票記載の労働条件を下回ることはありえます。使用者と求職者が話し合って個別の労働条件を決めるということは、通常行われていることと考えられるからです。
 しかし、その内容を労働契約書又は労働条件通知書で文書にしておかない場合には、後々問題が生ずる可能性があります。判例の中には、求人票に示された労働条件が雇用契約の内容となるとするものもあり、労使のトラブルが発生した場合などは紛糾する可能性があります。やはり、法律の規定のとおり、労働契約締結時にきちんと労働契約書又は労働条件通知書によって、労働条件を明示しておくことが重要です。

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