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zoom RSS 法律トリビア…格差の固定化に「懸念」

<<   作成日時 : 2017/04/22 14:48   >>

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 図書館で何気なく手にした『法律って意外とおもしろい 法律トリビア大集合』(第一法規)ですが、これがなかなか面白いのです。「トリビア」とは「些末なもの」や「雑学」といった意味で、「トイレからオリンピックまでこの世は法律でできている」(第2章見出し)といったノリで書かれているのです。

 「「心配」や「悩み」はないが、「懸念」はある」の項では、「法律は、世の中のいろいろな問題を解決するために作られるものですから、法律を探ってみれば、今の世の中の心配事が分かります」として、法律を調べてみると、「心配」と「悩み」という言葉はなく、「懸念」という言葉は6つの法律で使われていたというのです。

〇南海トラフ地震が「懸念」されている・・・「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靭化基本法」(平成25年法律第95号)
〇情報漏えいの危険性が「懸念」されている・・・「特定秘密の保護に関する法律」(平成25年法律第108号)
〇児童虐待は、将来の世代の育成に「懸念」を及ぼす・・・「児童虐待の防止等に関する法律」(平成12年法律第82号)
〇住宅金融専門会社の不良債権問題のため、我が国における金融の機能に対する信頼が低下することなどが「懸念」される・・・「特定住宅金融専門会社の債権債務の処理の促進等に関する特別措置法」(平成8年法律第93号)
〇製造業の衰退が「懸念」される・・・「ものづくり基盤技術振興基本法」(平成11年法律第2号)
〇社会における格差が「懸念」されている・・・「労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律」(平成27年法律第69号)

 最後の社会における格差が「懸念」されるとする法律は、通称「同一労働同一賃金推進法」ともいわれる法律です。これはもともと、民主党(当時)など野党が政府の派遣法改正案の対案として提出したものですが、与党が維新と協議して修正案を提出して衆院を通過、平成27年9月16日に公布・施行となったという経緯があります。

 当初、「施行後一年以内に講ずる」とされた法制上の措置が、「三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずる」など骨抜きにされたとする批判がなされました。しかし、一方では、現在安倍内閣が推進する正規・非正規の格差是正のための同一労働同一賃金のスタートラインに位置付けられるものとの評価もあります。

 そこで、この法律にどんなことが書かれているか、概観しておきたいと思います。(条文を読みやすくするために省略した部分があります。)

■労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策の推進に関する法律(平成27年9月16日法律第69号)

(目的)
第一条 この法律は、近年、雇用形態が多様化する中で、雇用形態により労働者の待遇や雇用の安定性について格差が存在し、それが社会における格差の固定化につながることが懸念されていることに鑑み、それらの状況を是正するため、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策に関し、基本理念を定め、国の責務等を明らかにするとともに、(以下略)
 
(基本理念)
第二条 労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策は、次に掲げる事項を旨として行われなければならない。
 一 労働者が、その雇用形態にかかわらずその従事する職務に応じた待遇を受けることができるようにすること。
 二 通常の労働者以外の労働者が通常の労働者となることを含め、労働者がその意欲及び能力に応じて自らの希望する雇用形態により就労する機会が与えられるようにすること。
 三 労働者が主体的に職業生活設計を行い、自らの選択に応じ充実した職業生活を営むことができるようにすること。

(国の責務等)
第三条 国は、前条の基本理念にのっとり、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を策定し、及び実施する責務を有する。(以下略)

(法制上の措置等)
第四条 政府は、労働者の職務に応じた待遇の確保等のための施策を実施するため、必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるものとする。

(職務に応じた待遇の確保)
第六条 国は、雇用形態の異なる労働者についてもその待遇の相違が不合理なものとならないようにするため、事業主が行う通常の労働者及び通常の労働者以外の労働者の待遇に係る制度の共通化の推進その他必要な施策を講ずるものとする。
2 政府は、派遣労働者の置かれている状況に鑑み、派遣労働者について、派遣元事業主及び派遣先に対し、派遣労働者の賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇についての規制等の措置を講ずることにより、派遣先に雇用される労働者との間においてその業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度その他の事情に応じた均等な待遇及び均衡のとれた待遇の実現を図るものとし、この法律の施行後、三年以内に法制上の措置を含む必要な措置を講ずるとともに、当該措置の実施状況を勘案し、必要があると認めるときは、所要の措置を講ずるものとする。

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