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zoom RSS 労契法20条をめぐる判例を検討

<<   作成日時 : 2017/02/20 18:19   >>

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 『労働判例』(2017.2.15)は、「労働契約法20条をめぐる判例と課題〜ハマキョウレックス(差戻審)事件・長澤運輸事件判決からみえるもの〜」と題し早春鼎談を行っています。参加者は、司会の山本圭子氏(法政大学講師)、使用者側弁護士の峰隆之氏及び労働者側弁護士の水口洋介氏の3氏です。

事件の概要
■ハマキョウレックス(差戻審)事件
 業務内容には大きな相違はないが、広域異動や中核人材としての登用の可能性について違いのある正社員と契約社員との間の無事故手当・作業手当・通勤手当等の格差が労働契約法20条違反に当たるかどうかが主な争点とされた事件。
 一審判決(平成27年9月16日)は通勤手当のみ請求を認容、二審判決(平成28年7月26日)は通勤手当、無事故手当、作業手当、給食手当が労契法20条に抵触すると判断。

■長澤運輸事件
 原告ら3名は定年退職後継続雇用として有期契約を締結した労働者。職務の内容(第一要件)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲(第二要件)が正社員と全く同一であるのに、賃金が3割前後下げられたのは労契法20条違反として、差額賃金を請求した事件。
 一審判決(平成28年5月13日)は、第一要件と第二要件が同一であれば特段の事情がない限り、労働条件の相違は不合理と判断、二審判決(平成28年11月2日)は「その他の事情」(第三要件)を含めて総合的に判断すべきとし、定年後再雇用の場合3割程度の賃金減額は社会実態として容認されているとして逆転判断。

個別の手当ごとの判断の是非
 ハマキョウレックス(差戻審)事件の二審判決について、水口氏が、個別の手当の性格、趣旨、目的に基づいて判断している点を当然のこととして評価するのに対し、峰氏は、個別の手当は支給するための名目であって、それを個々に分解するのは、労働条件の相違とか、そういう次元ではないのではないかと疑問を呈しています。
 水口氏は、長澤運輸事件一審、二審ともハマキョウレックス(差戻審)事件二審のように個別の労働条件の手当ごとの性質に基づいた判断をしていないとしています。そして、両事件が最高裁にかかった場合、個別労働条件ごとに判断するという点に注目したいとしています。峰氏は、賃金水準、年収水準でどのように変化したのか、トータルな比較をすれば十分ではないかと、特段にこの手法自体がおかしいとの印象は持っておりませんと述べています。

ニヤクコーポレーション事件判決の評価
 水口氏は、ニヤクコーポレーション事件判決は有期社員と正社員ドライバーはそんなに変わらない働き方をしているということを実態に踏み込んで判断をしている。パート労働法旧8条と労契法20条で適用される条文は違うのですけれども、就業規則に形式的な違いがあるということではなくて、労契法20条もニヤクコーポレーション事件一審判決のように、第二要件については実態を踏まえて判断すべきだとしています。
 これに対し、峰氏は、有期と無期との間の配置の範囲について、そう大きな違いがないとして、違法判断をしたのは、非常に大胆極まりないアクロバティックな判決だとしています。

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