パートタイム労働考

アクセスカウンタ

zoom RSS シェアリング経済と雇われない働き方

<<   作成日時 : 2017/06/17 23:07   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

 平成29年3月31日に可決・成立した雇用保険法等の一部を改正する法律は、「職業紹介の機能強化及び求人情報等の適正化」(職業安定法)を含んでいました。これらの内容を調べているとき、季刊労働法266号(2017年春季)の第2特集「労働市場と法をめぐる最近の動向」の中に、普段あまり目にしない用語が満載の論稿が目に留まりました。それは、中村天江氏(リクルートワークス研究所労働政策センター長)の「プラットフォーマーと雇われない働き方―シェアリングエコノミーが照らす今日的課題―」です。

 シェアリングエコノミーとは、個人等が保有する活用可能な住宅や自動車などの有形資産や、スキルや時間などの無形資産を、インターネット上のマッチングプラットフォームを介して他の個人等も利用可能とする経済活性化活動のことです。世界的には、民泊サービスのAirbnbや配車サービスのUberなどが有名です。

 シェアリングエコノミ―には、クラウドソーシングなど、働き手に仕事を紹介する人材サービスもあり、米大手Upworkのユーザー数は1200万人に達し、日本でもクラウドソーシングサービスへの累計登録数は330万件を超えているとのことです。柔軟な働き方へのニーズの高まりやICTの進展により、このようなサービスは今後も拡大していくと予想されています。

 シェアリングエコノミーにおいて、発注者と働き手の契約を媒介する中間事業者をプラットフォーマーといいます。人材サービスのプラットフォーマーは、発注者と働き手を結びつけるという点で、職業紹介や労働者派遣などの雇用仲介事業に似ています。しかし、プラットフォーマーを通じた就業は、発注者の指揮命令を受けて労務を提供するわけではないため、労働者ではなく小規模事業者と位置付けられ、労働法の枠組みの外にある働き方となります。

 個人が発注者と業務請負や委託契約を結ぶ雇われない働き方には、様々な呼び方がされています。自営業者(self-employed)、個人請負、個人事業主、独立的契約就業者(independent contractor:IC)、独立的労働者(independent worker:IW)、フリーランサーなどです。これらの雇われない働き方には労働法の適用はなく、発注者側は最低賃金の順守や割増賃金の支払い、社会保険の負担をしなくてもよいということになります。

 中村氏は、シェアリングエコノミーの進展に伴い、海外では、プラットフォーマーの働き手の「労働者性」が問題になり始めていると指摘し、働き手の労働者性を認めれば、その仕事の情報を提供しているプラットフォーマーに関する法制度の在り方も、労働法の射程に入ってくるとします。その上で、中村氏は米国と欧州のシェアリングエコノミーの進展過程を追いながら、人材サービスを行うプラットフォーマーとその働き手の保護に関して試論を展開するとしています。

 成長が期待されるシェアリングエコノミーにおいては、プラットフォーマーの自主的取り組みによる発展が重要であり、むやみに規制して発展を阻害し、働き手や企業の効用を下げることのないよう、規制は最小限に留め、サービスの創発や優良な事業者への淘汰を促していくべきである、と中村氏は指摘しています。シェアリングエコノミーによって浮かび上がったのは、古くて新しい労働市場の課題であり、その在り様の模索は、労働市場の高度化に向けた礎石になるだろうと結論づけています。

 

テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
シェアリング経済と雇われない働き方 パートタイム労働考/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる